原左都子エッセイ集

時事等の社会問題等を取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「英語外部検定試験中止」に対する高校教育現場よりの嘆きの声

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 上記表題に関して、現役高校教諭そして「原左都子エッセイ集」長年の読者の方より、つい先程私宛にメールを頂戴した。 実にホットな内容につき、早速そのメールの全文を紹介させていただこう。

 

 こんにちは。久しぶりにメールを出させていただきました。

 いつか、このテーマを取り上げられるかな、と少しは思っていました。

 今感じていることをだらだらと・・・ 

現場の教員の感想としては、「結構振り回されたな」、という気持ちです。 正直、こんな「大どんでん返し」は教員生活で初めてのような気がします。

色々なことが課題として挙げられてはいますが、とりあえず来年は実施して、早急に課題への対応がなされるのかな、と考えていました。

中止発表前々日の30日には、教育センターに進路指導担当者らが集められ、文科省の方が来られ、今回の英語外部検定が実施されるに至った経緯についての説明会がありました。 色々なことが課題として挙げられているが、それでも実施する必要があるのだ、という言い訳を聞かされる会という感じでした。 最後、参加者から出た質問に対しては、苦しそうに答える場面や、答えにくい(即答できない)質問に対しては「持ち帰えって検討させてください」と。 質問は続きましたが、適当なところで時間の関係で切られたと思います。 翌31日にベネッセの担当者が来校し話をしている中でも、とりあえず来年はやります。と明言していました。(笑) しかし、その翌日の夜に、中止?延期? そして1日の朝の散歩途中にラジオで「延期される」と聞いた時には一瞬耳を疑いました。 

ただ、生徒の表情は「えっ?本当?」といった感じで、怒ったりがっかりした様子はあまりありませんでした。 生徒自身も何らかの不安もあったのでしょう。 ただ英検の申し込みを済ませている生徒が「先生、キャンセル料はどうなるの?」と言っていました。 

英語外部検定対策に振り回されたこの数年、特にこの半年は忙しかったですね。 今は台風一過のような平穏な日々が続いていますが、この件による被害額はどのくらいあるのでしょうね。

〇学校単位での被害(笑)

 2年前よりGTECの全員実施

 英語検定の積極的な受験指導(これらは無駄、とは言い切れませんが)

 現2年生保護者対象の説明会(土曜日に実施しましたが仕事を休んでまで来られた人も

 いたでしょう)

 まったく新しい行事になるので、すべての文書をゼロから作成し起案し配布。受験予定検定の調査、集約。

 ID取得に向けての、生徒への説明会用の資料作成。ID取得申込用紙の下書き、確認、清書。

 検定受験には減免措置があるため、対象者であるかどうかの確認作業。

 ID申し込み郵送直前だったので、保護者へ責任をもって破棄する、との連絡。

 等々、すぐに思い当たるだけでもいくらでも出てきます。 

 ベネッセさん

 タブレット発注(?)30万台がどうなるのか。4年後使えるのか?

 英語検定協会

 現在申し込んでいる人、約30万人 解約料500円が必要になることは当然納得はできないし、 ではどこが負担するのか? 

 共通ID申し込み案内の冊子、果たして何万部作製したのでしょう。 センター試験は通常60万人ほどが出願しますが、受験案内はその何倍も作成されます。 今回のID申し込み案内も、同程度かそれ以上(無料なのでとりあえず全員)、さらに現在の3年生は浪人することを考えて大半が申し込みをすると思うので、果たして何百万部作製したのでしょうか。 

 20年前から始まった総合的な学習の時間で、自ら学び自ら考えていく(問題解決能力、生きる力)力をはぐくむ、と言われ始め、色々なことが取り組まれてきました。しかし「大学入試が変わらなければ、入試対策を前提にした高校の教育は変わらないとい」ということが常に言われ続けてきており、今回大きく変えようとした、でも準備不足だった、というのが個人的な感想です。

今回の入試改革が本当にベストなものだったのかじっくりと検証する必要があると思います。時間がかかると思いますが。

 

 最後に、原左都子の感想を書かせていただこう。

 yu16先生、ご多忙とご混乱の中、原左都子宛に英語外部検定試験中止に関する貴重な現場の生の声をお届け頂きまして誠にありがとうございました。 受験生を抱える高校現場の混乱の実態を思い知らされた気が致します。

 タブレット30万台や、検定解約料30万人分… その巨大損失の穴埋めは文科省が責任を持って成し遂げるのでしょうかね?  国民の血税からの負担となることが見え見えですが。

 文科省担当者が教育センターまで来るのならばきちんとした回答を持参するべきなのに、現場から何を問われても即答不能、一旦持ち帰って検討するとは何事か! と怒りたくなりますね! 

 そもそも文科省に、「大学受験改革」に関する筋の通ったポリシーが一切感じられない事実に苛々させられます。 民間との癒着や文科省の都合のみで事があやふやに進められている様子は、何年も前より感じておりましたが。

 それよりも、生徒の皆さんの困惑こそが気がかりです。(比較的落ち着いている様子ですが。)

 yu16先生、そうでなくとも学校教育現場は激務で大変ですのに、文科省の失策にてこのような重荷を背負わされた事態を心よりお見舞い申し上げます。  どうか、今後とも体調に留意されつつこの難局を乗り越えられますように。