原左都子エッセイ集

時事等の社会問題等を取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ウィーン旅行記・総論 オーストリアの難民・移民問題は?

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 (写真は、メルク修道院の中庭にて撮影したもの。 今回のエッセイ内容とは無関係です。)


 
 昨夏我々母娘が米国西海岸へ旅した際、到着直後に米国が抱える「移民・難民」問題を直視させられるはめとなり、大いなるショックを受けたものだ。
 (その様子を、2018.08.30付バックナンバー「米国旅行記 -移民・難民激増で大変貌した米国-」に於いて公開しておりますので、よろしければご覧下さい。)

 その内容を我が記憶に頼り、少しだけ再掲載するならば。

 米国のホテル到着直後に近くのハンバーガーチェーン店へ立ち寄ると、どいいう訳か店内が“難民”と思しき浮浪者達で溢れている。 その中の一人が店内に入った私にすぐさま近づいてきて「1dollar.」(“1ドルくれ”、と言ったところであろう)と物乞いをしに来る。 突然のことで訳が分からず戸惑った私に対し、浮浪者は残念そうに私から去って行った…

 そういえば、行くところ行くところの街々に“難民”と思しき浮浪者が溢れ返っている。
 ホテルやスーパーマーケット等の労働現場を見ると、必ずや底辺労働者は“移民”の様子であり、すっかりと労働階級が出来上がってしまっている。
 
 過去に我が19歳時及び30代に訪れた米国は、決してこんな事はなかった。 米国は元々多国籍国家であるため当然“人種のるつぼ”状態ではあったが、これ程の階級差を見なかったものだ…。

 この昨夏の米国旅行時の“人種による歴然とした階級社会”の様相が我が脳裏に明瞭に刻み込まれていたため、今回のウィーン(オーストリア)では“難民・移民”対策が如何に成されているのかが、大いなる関心事だった。


 さて、そのウィーンだが。

 街で浮浪者を見かけることは皆無だ。 そのせいもあり、街がとても美しい。
 しかもホテルやレストランや一般店舗等々でも、米国のような歴然とした“労働階級”を見る事はなかった。 ホテルのベッドメイキング女性達が全員有色人種だったのは事実だが、その方々も英語での応答が流暢で何らの不都合も無かった。


 オーストリアの“難民・移民体制”に関し、調査をせずして旅に出掛けてしまったが。
 遅ればせながら先程ネットにて少し調査をしてみると。
 やはり、オーストリアでは近い過去に於いて「極右政権」が幅を利かせていたようだ。 そのため“難民受入れ”を拒み続けていたとの情報もあった。

 ネットより、その類の情報を以下に紹介するならば。
 (2017年時点の情報だが)、オーストリアには独伊に到着した2千人の難民の受け入れ義務が突きつけられているが、ケルン首相はオーストリアは欧州へ入る移民の通過する途上にあり、不法越境を行った多くがそのまま国内に留まっていることから、ノルマ以上の受け入れをすでにこなしていると主張している。オーストリア通信が報じた。 欧州委員会のアヴラモプロス内務担当欧州委員は、EU諸国に対して9月末までに独伊からの難民の受け入れの遂行を呼びかけている。
 (以上、2017年のネット情報より引用したもの。)


 話題を変えてつい最近見たテレビ報道によれば、米国大統領トランプ氏が“筋金入り”の「白人主義」を貫き通そうとし、有色人種女性政治家相手に「この国が嫌なら自国へ帰れ!」と無茶苦茶発言まで繰り広げる始末。 実に驚かされるばかりだが。
 それでは我が国はどうなのかと振り返ってみたところ、新聞報道によれば外国人の人口がやっと2%になったとの事だ。


 確かにウィーンの街は美しい。 
 ただそれが現在世界が抱える「難民問題」に国家政権が反逆してまでの結果だとした場合、この一見美しさの裏側には大いなる歪みが潜んでいるとの事実なのだろう。

 我々旅行者にとってウィーンはまさに実に美しくかつ快適な国との表面での印象だったが、それで済まされない側面も見る思いでもある…。